町民の意見を反映させる行政改革 2005年3月5日設立

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◆ 穴水町ケーブルテレビ事業 ◆

特集その2:課題を考える

提言書 特集その1 その2 その3 その4 追記


穴水町のケーブルテレビ事業の内容を考えてみます。

T:初めに予算が検討されているもの?

本来、こうした高額の費用が必要な事業というのは、町の財政状況の元で「初めに予算が検討されるものではないのか?」という疑問があります。

ケーブルテレビ整備事業を行うには、
穴水町の初期投資金額は公設で約4億円以上、民設で約6300万円必要です。※1

AGOの委員には「公設の場合4億円以上の初期投資。財政状況が悪いのに大丈夫なのか?再建団体になる心配はないのか?」という疑問と不安がありました。しかし、会議には「公設公営・公設民営・民設民営」という3つのプレゼンテーションが行われ、それぞれの内容が検討されました。このことは穴水町情報政策懇話会事務局が「公設公営」を会議の検討内容に上げた段階で、「公設公営」でも穴水町は事業を行っていけると判断しているとみなすのが妥当です。

ですから、提言書に穴水町は財政の状況を検討し公設か民設かを判断すること等の言葉を加える必要は、本来ないはずです。それでも加えたのは、AGO委員には「財源は病院の赤字や学校問題など、もっと各種行政サービスに当てて欲しい」という願いがあったからです。

財政危機と言われる穴水町。町の財源を4億円以上も使って公設にしなければならない理由はあるのでしょうか?

U:民間でできることは民間に任せる

国は地方自治体の財政立て直しに、公共事業の見直しや公の施設管理などを民間に任せる指定管理者制度など「民間でできることは民間に任せる」という指針を出しています。民間でできることにお金を使わないで、穴水町として行って欲しいことは沢山あると思います。

同じ情報の分野であっても住民基本台帳や医療等の個人データなどは厳重に管理しなければならない内容ですが、テレビやインターネットは情報収集や娯楽であり、広く公開されるものです。テレビもインターネットも民間会社が運営し、電気も電話も民間会社が運営管理しています。

V:2つの課題

ケーブルテレビ事業は通信の仕組みや専門用語が入り理解しにくい部分がありますから、整理して考えてみます。

「穴水町のケーブルテレビ事業の方針決定には、大きく分けて2つの課題があります。1つは前述の公設か民設か?そして、もう1つは情報の伝送路方式がFTTHかFTTCか?ということです。

穴水町には、既に公共施設光ファイバー網が施設されています。
この公共施設光ファイバー網を利用して各家庭に情報を送る伝送路の方式が論点で、FTTH(エフティティエイチ)方式とFTTC(エフティティシー)方式が整備の候補になっています。

上の図で楕円形部分が公共施設光ファイバー網。ここから家の壁まで引き込む黄色い部分が公設の光FTTH。ブルーの部分が民設の同軸FTTC。図には両方を載せています。

1:FTTHは、光の線を家まで引き込みます(家の中は同軸です)
2:FTTCは、光の線から同軸ケーブルに分けて家まで引き込みます(家の中は同軸です)公設は(公営、民営とも)FTTH方式を打ち出しています。
民設はFTTC方式を打ち出しています。

この方式の違いによってケーブル事業の総額が変わりますが、光FTTH同軸FTTCの通信内容の違いは、インターネットに関する速度などの違いです。

W:誰の為のもの?

根本的な問題ですが、ケーブルテレビ事業は、穴水町の税金を使って、ほとんどの町民の為に行う事業です。
1:地上デジタル放送対策
2:テレビ難視聴地域の解消
3:携帯電話の不感地帯の解消
これら3つの問題は、光FTTHでも同軸FTTCでも解消できます!。ケーブルテレビ放送の画質をはじめ放送の品質・内容・サービスは、どちらもまったく変わりません。

つまり、
穴水町の多くの世帯が利用するケーブルテレビの部分は、光でも同軸でも良いのです!

違いはインターネットの速度だけです。民設案のインターネット速度は15Mbです。公設案の光FTTHにすると最大で100Mbまで使えます(※営業する企業が100Mbコースの営業を行った場合のみ可能)。ケーブル事業が開始されても今までどおりインターネットの契約は、どこの会社とでも個人の自由です。そして、穴水町でインターネットを利用している人は30%前後といわれます。その中で何割かの人が100Mbの速度を希望するでしょう。結局、光FTTH方式は、インターネットの超高速通信100Mbを利用する一部の人の為のものといえます。

そして既に施設されている公共施設光ケーブル網は、穴水門前の合併が破綻したときに施設したもので、これも穴水町の借金として残っている状態です。

X:社会状況と奥能登市町の整備方式

総務省の方針には「平成18年度 ICT政策大綱」において「2010年までに上り30Mbps級以上の次世代双方向ブロードバンドの世帯カバー率90%以上とする」とありますが、あくまでも目標であり、方針ですから、今回のアナログ放送廃止のような決定事項ではありません。同軸FTTCでも30Mbのサービスをしているケーブル局は徐々に増えています。

そして、現実に
奥能登の自治体2市1町はFTTH方式ではないのです。合併特例債がある輪島市も能登町も珠洲市でも同軸ケーブルの方式を採用しています。2005年〜2006年にFTTCやHFCなど同軸ケーブルで整備し運営し始める自治体が2010年までに新たな予算をつけて光FTTHに整備し直すでしょうか?

穴水町は、公設で高額な光FTTH方式を採用する必要があるのでしょうか?

20061108 文責:新谷

※1:初期投資の内容:民設民営は穴水町の出資500万円+建設町補助5838万円(総事業費の1/8を希望。総事業費によって変動の可能性あり)公設公営の場合は総事業費約12億円(一般財源ベース公債費累計約4.3億円)その他は提言書の比較表を参照のこと。
※参考…06年11月穴水の最高環境はNTT穴水局、ヤフーBB50.5Mbpsプロバイダ料込み月額4,521円


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【用語の説明】
Mb(Mbps):読み方はメガビーピーエス。 Mbpsとは「Mega bits per second」の略。1秒間に何メガビットのデータを転送できるかを表しています。1メガビットは1ビットの約100万倍
ブロードバンド:高速インターネット接続の意味で使われることが多い
公設:公(穴水町)のお金でケーブルテレビ事業の施設を整備すること
民設:民間企業のお金でケーブルテレビ事業の施設を整備すること
地デジ:地上波デジタル
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