◆ 穴水町ケーブルテレビ事業 ◆ 特集その2:課題を考える |
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穴水町のケーブルテレビ事業の内容を考えてみます。 T:初めに予算が検討されているもの? 本来、こうした高額の費用が必要な事業というのは、町の財政状況の元で「初めに予算が検討されるものではないのか?」という疑問があります。 ケーブルテレビ整備事業を行うには、 AGOの委員には「公設の場合4億円以上の初期投資。財政状況が悪いのに大丈夫なのか?再建団体になる心配はないのか?」という疑問と不安がありました。しかし、会議には「公設公営・公設民営・民設民営」という3つのプレゼンテーションが行われ、それぞれの内容が検討されました。このことは穴水町情報政策懇話会事務局が「公設公営」を会議の検討内容に上げた段階で、「公設公営」でも穴水町は事業を行っていけると判断しているとみなすのが妥当です。 ですから、提言書に穴水町は財政の状況を検討し公設か民設かを判断すること等の言葉を加える必要は、本来ないはずです。それでも加えたのは、AGO委員には「財源は病院の赤字や学校問題など、もっと各種行政サービスに当てて欲しい」という願いがあったからです。 財政危機と言われる穴水町。町の財源を4億円以上も使って公設にしなければならない理由はあるのでしょうか? U:民間でできることは民間に任せる 国は地方自治体の財政立て直しに、公共事業の見直しや公の施設管理などを民間に任せる指定管理者制度など「民間でできることは民間に任せる」という指針を出しています。民間でできることにお金を使わないで、穴水町として行って欲しいことは沢山あると思います。 同じ情報の分野であっても住民基本台帳や医療等の個人データなどは厳重に管理しなければならない内容ですが、テレビやインターネットは情報収集や娯楽であり、広く公開されるものです。テレビもインターネットも民間会社が運営し、電気も電話も民間会社が運営管理しています。 V:2つの課題 ケーブルテレビ事業は通信の仕組みや専門用語が入り理解しにくい部分がありますから、整理して考えてみます。 「穴水町のケーブルテレビ事業の方針決定には、大きく分けて2つの課題があります。1つは前述の公設か民設か?そして、もう1つは情報の伝送路方式がFTTHかFTTCか?ということです。 穴水町には、既に公共施設光ファイバー網が施設されています。 上の図で楕円形部分が公共施設光ファイバー網。ここから家の壁まで引き込む黄色い部分が公設の光FTTH。ブルーの部分が民設の同軸FTTC。図には両方を載せています。 1:FTTHは、光の線を家まで引き込みます(家の中は同軸です) この方式の違いによってケーブル事業の総額が変わりますが、光FTTHと同軸FTTCの通信内容の違いは、インターネットに関する速度などの違いです。 W:誰の為のもの? 根本的な問題ですが、ケーブルテレビ事業は、穴水町の税金を使って、ほとんどの町民の為に行う事業です。 違いはインターネットの速度だけです。民設案のインターネット速度は15Mbです。公設案の光FTTHにすると最大で100Mbまで使えます(※営業する企業が100Mbコースの営業を行った場合のみ可能)。ケーブル事業が開始されても今までどおりインターネットの契約は、どこの会社とでも個人の自由です。そして、穴水町でインターネットを利用している人は30%前後といわれます。その中で何割かの人が100Mbの速度を希望するでしょう。結局、光FTTH方式は、インターネットの超高速通信100Mbを利用する一部の人の為のものといえます。 そして既に施設されている公共施設光ケーブル網は、穴水門前の合併が破綻したときに施設したもので、これも穴水町の借金として残っている状態です。 X:社会状況と奥能登市町の整備方式 総務省の方針には「平成18年度 ICT政策大綱」において「2010年までに上り30Mbps級以上の次世代双方向ブロードバンドの世帯カバー率90%以上とする」とありますが、あくまでも目標であり、方針ですから、今回のアナログ放送廃止のような決定事項ではありません。同軸FTTCでも30Mbのサービスをしているケーブル局は徐々に増えています。 そして、現実に 穴水町は、公設で高額な光FTTH方式を採用する必要があるのでしょうか? 20061108 文責:新谷 ※1:初期投資の内容:民設民営は穴水町の出資500万円+建設町補助5838万円(総事業費の1/8を希望。総事業費によって変動の可能性あり)公設公営の場合は総事業費約12億円(一般財源ベース公債費累計約4.3億円)その他は提言書の比較表を参照のこと。 【用語の説明】 |
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